| 時代 |
西暦 |
年代 |
大峠道路の歴史 |
| 古代 |
807 |
大同2 |
僧、徳一が恵日寺など建てたと伝えられ、会津仏教が栄えた。 |
| 1182 |
寿永元 |
康和2年(1100)恵日寺の勢力は会津4郡を支配したが、恵日寺の乗丹坊が僧兵を率いて木曽義仲と戦い、長野で敗れた。
米沢への道は檜原峠を通り、800〜1200年頃にかけて米沢方面に仏教文化が伝播された。 |
| 中世 |
1585 |
天正13 |
大峠越えの道が開かれる。
米沢の伊達政宗が会津侵攻の道として、密かに開いたとされる。（この頃、米沢の伊達氏と会津の蘆名氏は檜原峠を越えて攻防を繰り返していた。） |
| 近世 |
1590
1598 |
天正18
慶長3 |
会津に蒲生氏郷入部。
若松城に上杉景勝入部。
この頃檜原峠越えの米沢街道は重要性が増し、重要街道となる。 |
| 1633 |
寛永10 |
若松城主となった加藤氏は、大峠越えの街道を閉塞する。
塩川経由、檜原峠越えの米沢街道を本街道とする。 |
| 1643 |
寛永20 |
保科正之、若松城主となる。 |
| 1649 |
慶安2 |
保科氏は、幕命により領内調査し、会津本街道5筋を定め、幕府に報告する。
檜原越えの米沢街道も5筋の一つ。本街道となる。
檜原越えの米沢街道は、出羽三山参詣の道として、また幕府巡見視の道として利用され、明治に至る。 |
| 近代 |
1882
|
明治15 |
会津三方道路の一つとして、大峠の道を三島福島県令が開削。
|
|
|
|
| |
 |
 |
|
| |
福島県耶麻郡新道の内、山形県下南置賜郡八谷新道に通ずる大峠隧道南口の図 |
「福島県新道景観図」から「泰次郎岩南新道ノ図」 |
|
|
|
|
|
会津三方道路「大峠道路」は三島福島県令により着工。住民延べ73万4千人の文字通り血と汗と涙により、同17年完成。これにより牛馬車通行可能となり、物資の流通が始まる。
明治15年三島県令の住民酷使に農民たちはついに立ち上がり、自由民権運動と呼応して、2千人が塩川町弾正ヶ原に集まり、喜多方事件、福島事件へと発展した。 |
| 1884 |
明治17 |
栃木県〜山形県間の路線が県道1等路線に仮定される。
大峠越えの道路は、関東、会津、山形、秋田を結び主要道路となる。物資の輸送が盛んとなり、明治22年柳津虚空蔵に奉納される鰐口は、米沢から綱を引き大八車で運んだ。
根小屋から入田沢間(28km)は、人家が無いため、福島県は沼ノ原に新部落（8戸）をつくる。 |
| 1888 |
明治21 |
磐梯山大噴火により、米沢街道、宿駅、檜原村水没。 |
| 1898 |
明治31 |
郡山〜若松間に岩越鉄道開通。 |
| 1899 |
明治32 |
福島〜米沢間に奥羽線開通。 |
| 1904 |
明治37 |
若松〜喜多方間鉄道開通。
檜原越えの米沢街道は交通の要所から外れ、歴史を閉じる。 |
1932
〜1934 |
昭和7
〜9 |
|
|
|
| |
 |
|
| |
昭和9年竣功の大峠隧道 |
|
|
|
|
農林の不景気対策として、昭和7年から3年がかりで農村振興土木事業が行われ、三島県令開削の大峠道路は大改修される。
これにより自動車の峠越えができるようになる。
昭和9年竣功。 |
1937
〜1940 |
昭和12
〜15 |
福島・山形両県で幅員4mに改修する。 |
| 1950 |
昭和25 |
宇都宮〜米沢間国道編入。（国会採択） |
| 1953 |
昭和28 |
二級国道宇都宮・米沢線（121号）に指定される。 |
| 現代 |
1954 |
昭和29 |
|
|
|
|
| |
 |
 |
|
| |
開通米沢喜多方間 |
大峠道路にバスが走る |
|
|
|
|
|
米沢〜喜多方間バス道路開通。 |
| 1960 |
昭和35 |
栃木・福島・山形3県により「国道宇都宮・米沢線、改良促進既成同盟会」が発足される。
【大峠道路の現状】喜多方市根小屋から米沢市八谷間(24km)は、未改良砂利道で狭小幅が存在し、道路が劣悪となり、1年間の大半（11月上旬〜5月上旬）が積雪により交通止めとなる。 |
1969
〜1970 |
昭和44
〜45 |
国道121号最大の難所「大峠道路」、冬期間通行可能道路を目指して全面改築始まる。
福島、山形両県において調査実施。（航空写真測量の撮影・図化、比較線検討） |
| 1971 |
昭和46 |
大峠道路「喜多方〜米沢間」建設省直轄調査編入。本格的調査に着手。 |
| 1973 |
昭和48 |
基本ルートの検討に基づき、1000分の1地形図による比較線の検討、雪崩調査等を実施。「雪に強い道路」の建設をめざし計画。 |
| 1974 |
昭和49 |
大峠道路改築事業着手。概略路線測量、概略設計実施。
12月計画路線決定。 |
| 1975 |
昭和50 |
計画路線の決定により、計画ルートの路線測量が全線（25.1km）にわたり実施。一部実施設計実施。 |
| 1979 |
昭和54 |
準備工事着手。（工事用道路） |
| 1980 |
昭和55 |
本工事着手。（大峠、日中、石楠花、各トンネル）
大峠道路起工式（10月6日）
福島県側 熱塩加納村 日中第1トンネル坑口前
山形県側 米沢市 大峠トンネル坑口前 |
| 1992 |
平成4 |
大峠道路開通式
大峠道路部分供用（8月9日）（改築全長25.2kmのうち18.6km供用） |