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特別企画

sunnypandaHDDを解剖してみる(^o^)


 
 HDDの中身は、たまに雑誌などに載っているので見たことがあると思いますが、実際にバラしてみるというのも興味深いものです。
 今回の実験台となるのは、IBMのPCに搭載されていたもので容量は1,6GB、現在の水準からすると実に100分の1のキャパシティーですが、1996年製の製品としては標準的なものでしょうか。
 プラッタのサイズは3.5インチですが、何枚使って1.6GBを実現しているのでしょうか。

 まずは外観の撮影から。画像の歪みを防ぐためにスキャナを使用してみました。
 基盤のレイアウトやジャンパの位置など現在のものと異なる部分はあるものの、筐体のサイズや取付用ネジ穴の位置などは同一です。

 取り付けられているIC(LSI)を見てみると、IBMの他、NEC、HITACHI、MITSUBISHI、SANYOと、様々なメーカーのものが使われています。

   
   
   

 さて、いよいよ作業に取りかかろうとドライバーを用意します。が、何とハウジングを締め付けているネジは、プラスでもマイナスでもない六角の星形なのでした。
 わざと簡単に開けられないようになっているのでしょうか、一般的な六角レンチ用のネジ山とも異なるものです。対応する工具がなければバラすことは不可能。しかたなく星形ドライバーを購入することに。ただ単に分解してみるだけなのに、新たな出費が発生することになろうとは、トホホです。



 ようやく姿を現したプラッタと磁気ヘッドを駆動するアーム。シンプルな構造の中にも芸術品とも思える超精密な美しさを漂わせています。
 プラッタは2枚、まさに鏡のような円盤でした。
 磁性体を蒸着させた円盤の表面は、CDやDVDとは異なりピットは無いので虹色に輝いたりはしないのですが、どこまでも滑らかで覗き込むと吸い込まれそうです。
 実はここで思いがけず撮影に苦労することに。向こう側にある物体、壁や天井などが写り込んでしまうのです。上方から狙えば、カメラや自分自身が写ってしまいます。しかたなく屋外での撮影となりました。スポットライトは後で画像処理で加えたものです。^^;



 磁気ヘッドを保持するアーム。
 磁気ヘッドの反対側(写真左側)にはコイルが巻かれ、永久磁石に挟まれる形で取り付けられています。精密なシーク動作を行うためのメカニズムとしては驚くほどシンプルなものでした。



 側面から見てみます。
 2枚のプラッタの両面を挟み込むように、計4本のアームが伸びていて、先端部には磁気ヘッドが付いています。
 非常にデリケートな造りです。取り外した衝撃で、磁気ヘッドの位置がずれてしまい、再び元の状態に戻すことは不可能でした。



 磁気ヘッドの拡大写真。
 2本のアームの間にドライバーを差し込んで、無理やり押し広げて撮影しました。
 これが非接触でディスク上の磁気情報を読み書きしているパーツで、ときにディスククラッシュの張本人となるなのだな〜と妙に感心し、しばし見つめてしまいます。とは言え実物は約1.5x2.5mmとかなり小さいもので、撮影した写真の方が観察しやすかったりします。



 右はプラッタをモーターの軸に固定するための金具で、6本のネジで固定されていました。
 左は2枚のプラッタを平行に位置決めするためのスペーサーです。



 筐体に取り付けられているモーター。
 この機械が製造された頃は、現在とは異なりFDB(流体軸受)ではなく一般的なベアリングが組み込まれていると思われます。(残念ながらsunnypandaは流体軸受なるものを見たことはありません。)



 モーターを外して、横から見てみます。
 ハウジングなどの各パーツはアルミの削り出しで、手に取ってみると精密感が伝わってきます。

 

以上で終了ですが、楽しんで頂けましたでしょうか。
 電子機器であるPCの中にあってメカニカルな構造を持つHDD。基本的なスタイルは従来のレコードプレイヤーと同じでしたね。FD、CD、MD、MO、DVDも全て円盤に記録していますし、円という形状の特殊性、不思議さを感じました。

(2004/08)

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