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至福の時間 |
お目当ての温泉は、渓流沿いの露天風呂と内湯、いずれも男女別で落ち着いて入ることができます。
泉質は含石膏硫化水素泉で無色透明、少し湯ノ花が混じっている感じです。
まずは露天風呂で、渓流のゴウゴウと流れる音を聞きながらのんびりと長湯しました。
いつもの事ながら、このまま泊まっていきたいと思ったりします。
旅館のロビーで休んでいるとちょうど昼時になりました。
辺りを見回してもメニューらしき物はありません。
一応食糧は持ってはいたのですが、何か食べさせてもらえるか聞いてみると、焼きおにぎりなら出来ると言われました。
迷わずお願いしました。
焼きおにぎりとみそ汁、お新香が付きました。
おいしく戴きました。
本など読みながらダラダラ過ごしていると、急に気温が下がってきます。
窓の外を見る山の上の方にかかっていた霧も下がってきました。
山奥の谷間故、気象の変化が早いみたいです。
本を閉じ、内湯へ向かいました。
渓流に沿うように建つ旅館の建物は、外見以上に複雑な構造でした。
木造二階建て一部三階の建物には、不規則に階段がいくつもありました。
増築を重ねて今の姿になったのだと勝手に想像してみました。
内湯は大きな窓のあるこぢんまりした造りで、広すぎず狭すぎず居心地の良い空間になっていました。
黒い石造りの浴槽は滾々と注ぎ込む湯で満たされています。
勿論源泉100%掛け流し、温泉はやはりこうでなくちゃ。
ひとしきり湯を楽しんでロビーに戻ります。
平日ということで、宿はひっそりとしているのですが、浴衣姿の客が一人。
時刻からして連泊のお客さんでしょうか。
自分もいつか体験してみたいものだと思いました。
そろそろ帰るべき時間が近づいてきました。
忘れていたあの坂道が脳裏をよぎります。( ̄▽ ̄;)
昼食を出してくれた女将さんに一言御礼を言って宿を出ました。
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