土湯街道の変遷
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赤:国道115号
青:林道/登山道 |
橙:県道30号
緑:旧土湯街道 |
このレポートの作成は、土湯温泉から野地温泉へ抜ける山道を地図上で見つけたのが発端であった。現在の1/25000地図に載っている青い線で示したルートである。
当初、これが旧土湯街道ではないかという想定の元に現地調査を始めたが、野地温泉寄りの送電線が通っているあたりの道筋が見つけられず行き詰まってしまった。
そうするうちに、青い線のルートは後に造られた道路で、旧土湯街道は緑の線で示したルートであり、全く別物であるという情報をいただくことになる。
緑の線で示したルートの土湯温泉側には、『旧街道と山神社』という標柱があり、確かにそこが旧土湯街道であるということが確認できた。標柱には、次のように記載されている。
土湯から会津へ通じる街道は、この山神社の前を通って、ほぼ現在の送電線の下に沿って野地温泉を経て土湯峠に抜ける重要な路線であった。土湯のいでゆで休息をとった旅人や運送業者は、この太子堂や安永2年(1773)建立の山神社に詣で、道中の安全を祈った。急坂な道を5キロ程登ると陳場という地に至るが、そこに山神社奥宮の石祠がある。ちょうどそこは土湯峠との中間地点にあたる。この旧道は115号開通後は寂れて迷いやすくなり、現在は廃道になってしまった。
このレポートでは旧街道の登り口部分及び土湯峠に近い野地温泉から眺めた現在の様子を掲載することとし、辿ることが困難な旧街道の現状については割愛させていただくこととする。
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