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国道121号大峠道路(旧道)

ルート:

山形県米沢市

路面:

舗装、ダート
通行日: 2003/11/23 通り抜け: 行き止まり
地図: T/Mapple: 28-C-4
大峠道路は、旧国道121号とは別ルートで全く新規に建設された道路である。したがって、正確には大峠道路に旧道は存在しない
しかし、大峠道路の脇を流れる「普洞沢」沿いに古い道が残っていて、地図によれば、普洞沢を遡った後、大峠トンネルの上を通り、更に奥へと続いている。
土木技術の粋を結集してこの地に造られた大峠道路以前の道の風景を、是非とも見てみたかったのだ。
折しもこの日は11月の淡雪を身にまとい、美しい姿を見せてくれていた。

■大峠道路について

大峠道路とは、(新)国道121号の、おおよそ喜多方市の上岩崎橋から米沢市の八谷トンネルまでの、14トンネル、26橋梁で構成される区間の通称である。(数には、未供用トンネル、橋梁を含む。)
以前の国道121号の喜多方〜米沢間(大峠隧道を通るルート)は、未改良砂利道で狭小幅が存在し、1年間の大半(11月〜5月上旬)が積雪により通行止めとなる状態であった。
このため、冬期間も通行可能な道路をめざして新たに建設されたのが大峠道路である。

当時このルートに喜多方から米沢へ至る一連の道筋は存在しておらず、大峠道路の建設は、昭和44年から45年にかけての、福島、山形両県による航空写真を使った調査から始まり、その後、昭和46年に建設省直轄となり本格的調査が実施され事業化されることになる。
工事用道路などの準備工事に着手したのが昭和54年であり、このレポートにある古道は、大峠道路とは無関係に工事以前から存在し、地元で昔から使われていた道だった可能性が高い。
期せずして大峠道路とルート的に重なってはいるものの、地域内で完結している道であることから、大峠道路の旧道とは考えられないわけである。

ちなみに、旧国道121号の大峠隧道ルートは現在も国道指定のままとなっているが、(新)国道121号の喜多方市内の区間が全て完成した時点で、指定解除になるらしい。
旧国道121号が分岐する入田沢の『普洞沢2号橋』の少し先から側道に入る。
大峠道路と普洞沢の間をほぼ真っ直ぐに道は続いている。
時折車が高速で走り抜ける大峠道路とは対照的に、ひっそりと静まりかえった世界がそこにはあった。
しばらく進むと古い橋が見えてくる。
「普洞沢」に架かる「大北沢橋」。川の名前と橋名が何故かちぐはぐであるが、『普洞沢橋』は旧121号に存在するのでしかたがない。
橋は見た目ほど古くはなく、昭和45年10月竣功であった。
大峠トンネルの山形県側坑口付近で、大峠道路とタッチしている。
ここから先、道は未舗装の上り坂となっている。
ここを通る車は少なくないのだろうか。草刈りなどの管理が行き届いているように見える。
見下ろせば、そこには普洞沢に架かる『大森大橋』がカーブを描き、急峻な山々と不思議な調和を見せている。
右に目をやると、延長3,940mの『大峠トンネル』山形県側坑口が姿を見せていた。
道はトンネルの上を越え、更に続いている。
張りつめた空気の中に、人工的な構造物とは無縁の優しくも厳しい世界が広がっている。
500mほど進んだであろうか。
大きな苔むした杉の古木の下に祠が建っていた。
ここから先、車で進むことは困難であった。
枯れ草や木の枝が重なり合い、道形を隠そうとしている。残念ながら、探索はここで終了となった。
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