南湖の北岸を通るこの道は、かつては国道289号であった。右図は、1983年7月発行の地図である。現在は南側に新道が通り、国道としての機能はそちらに移っている。
南湖は名君であり茶人、また優れた作庭家であった、白河藩主松平定信(楽翁公)により、1801年に造園された、我が国最古の「公園」である。「南湖」の名は、李白の詩句「南湖秋水夜無煙」から、また、白河城「小峰城」の南に位置していたことから名づけられたといわれている。
定信はこの造園において身分の差を越え庶民が憩える「四民(四農工商)共楽」という思想を掲げ、「共楽亭」と称する茶室を建て四民と楽しみを共にし、その志はいまなお受け継がれている。
そして創設より200年の時に磨かれた公園は、松、吉野桜、嵐山の楓など四季折々に典雅な風趣をたたえ、花と緑と水の園として市民をはじめ多くの人々を魅了し続けている。
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