[国道] [県道] [市町村道] [林道] ▲TOP [トップページへ戻る]
県道293号江持谷田川停車場線(江持隧道)

ルート:

福島県須賀川市

路面:

舗装
通行日: 2001/12/22 通り抜け: 可能
地図: T/Mapple: 19-D-5
山形の廃道』(fuku様)の「付録 全国隧道リスト(1967年度版)」に掲載されている隧道である。
須賀川市街から1km程度の距離にあり、地図で見る限りほぼ平坦な地形なので、なぜここに隧道なのか、現場に着くまで想像できなかった。
まずは写真を御覧頂きたい。

江持隧道: 延長21.0m、車道幅員5.5m、限界高4,5m、素堀
[1]
須賀川市街地側。
一見したところボックスカルバート風であり、素堀には見えない。既に更新されてしまったのか。 それとも江持隧道は別にあるのだろうか。
それにしてもトンネルの上の山の部分がなんと低いことだろう。
[2]
内部の様子を見ると、コンクリート吹付となっているが、素堀の特徴である凹凸が見られる。どうやらこれが江持隧道のようである。
壁面は垂直、天井は水平、写真[1]の外観と同じ形状をしている。
現在は県道であるが開削当時この道幅があったとは考えにくい。道路の改良に併せて拡張されてきたのだろうか。銘板等は一切なく竣工年など詳細は不明である。
[3]
谷田川側。
2車線の県道が通る現役のトンネルである。
この高さで何故切り通しにならなかったのだろうか。
[4]
抗口部分がコンクリートで補強されている。
[5]
何と江持隧道の上には神社があった。
写真中央右寄りにトンネル、中央左寄りに鳥居が見える。
トンネルの真上は社の裏手にあたり、切り通しにすることはできなかったのかも知れない。
[6]
鳥居には『羽黒神社』の文字。
[7]
鳥居の奥には階段が続く。恐ろしいほどの急勾配だ。
写真[5]トンネルの真上のやや左側に社があり、トンネル部分よりもかなり高くなっている。
[8]
お社は比較的新しく見えるのだが、参道の雰囲気からしてかなりの歴史がありそうだ。
ここは迷わず参拝である。

外観からは素堀であることなど想像もできない、ましてや走行中に内部を観察するドライバーなどいないであろう。おそらくみんな全く気づいていないと思う。
でも、本当にこれがリストにあった江持隧道なのであろうか。素堀の隧道とは、天井が丸く、幅は狭くて内部でのすれ違いは困難、というイメージがどうしても強いのだ。

●●●

後日、「ふくしま教育情報データベース」に江持洞門の資料が掲載されていることが判明した。
資料によれば、江持洞門の完成は明治21年(1888年)で、明治30年に県道となり、その後、明治41年、昭和10年、昭和57年に拡張工事が為されて現在に至っているそうである。
なお、同資料には、洞門を掘り抜いた佐久間亀五郎の逸話など興味深い内容が記述されている。
(ふくしま教育情報データベース>郷土資料>須賀川市人物読本 先人のあしあと>江特洞門と佐久間亀五郎

ご意見、ご感想をお聞かせください。>>掲示板E-mail
[国道] [県道] [市町村道] [林道] ▲TOP [トップページへ戻る]
 
Copyright (C) Sunnypanda 2001-2008. All rights reserved
inserted by FC2 system