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ようやく見つけた入口には無情にも『車両通行止』の看板看板が立っている。
とりあえず様子を見てみることにする。 |
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入り口付近の舗装はすぐに切れ、ダートとなる。路面は硬く締まり支障はないが、ほとんど管理されている様子は見えない。草木がのびのびと育っている。 |
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中央に草が育っている。どの程度の頻度で車が通ればこのようになるのだろう。あるいは、交通が途絶えてからどのぐらいの期間このようにわだちが残るのであろうか。 |
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ここは芦ノ牧温泉の近くで、人里からもそう離れてはいない。が、標高は上がり、かなり山中に入ってきている。
正面に見えているのは、国道121号(118号)沿いに流れる大川(阿賀川)の対岸の山である。 |
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写真を見る限りでは、木漏れ日を浴びて一見爽やかな感じを受けるかもしれない。
しかし、幅員はミニマム、待避所などは存在せず、離合は不可能である。閉鎖されている訳ではないので、対向車が絶対来ないとは言えないのだ。 |
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ここは沢の少し手前の地点である。
道中央の草は床下を撫で、左右の草と木の枝はボディー側面から離れない。加えて、上から延びる小枝をフロントガラスで押し上げながら進んでいる。路上に確保された空間の断面は、車のそれよりも小さいのだ。
方向転換は不可能。バックで戻るか、このまま進むか。ドアで草を押しやり車を降りてみる。どうやら沢の先は、幾分状況が好転するようだ。 |
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沢の先も厳しいことには変わりはないが、先ほどの場所よりはマシである。陽の光も届き、気分的にも楽になってくる。この先通行不能となっても、バックで戻る覚悟はできた。 |
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ここが『舟子峠』であった。
眺望はないが雰囲気はよい。かつては人の往来で賑わっていたのだろうか。木陰で一服する人の声が聞こえてきそうだ。今はひっそりと人里とは別の時間が流れている。 |
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[9]
峠でふり返る。
まあよくもここを通ってきたものだと思う。繁茂する草木には閉口したが、路面はしっかりしていたのでここまで来れたのだ。
さて、まだ道は半分残っている。この先の状況はどうなっているのだろう。 |
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